2008年02月03日

ぼくがポイントサイトを始めた理由A



ぼくがポイントサイトを始めた理由A



 しかし、ポイントサイトを始める本当のきっかけは、誰にもある、つまらない、ほんのささいな出来事だったんじゃないかと今は思う。

 病気のこととは全然別に、ぼくはある日とても落ち込んでいた。


 夏の賞与が安かったのだ。


 業績は悪くなかったし、自分では成績も上げているつもりだった。


 しかし査定が悪かったのか、予定より全然安かった。


 えこひいきで沢山もらってる奴もいるんだろうなと当てもなく嫉妬して、ひねくれて、ふてくされて、ぼくは久々に仕事をサボり、ネットサーフィーンをしていたのだ。


 その時、ポイントサイトに出会った。


 それから早速登録してみた。


 しばらくすると、どんどんポイントが貯まっていった。


 日々確実に努力した分だけ、わずかながら、


 ポイントは貯まり続けた。


 そのわずかなポイントが換金されイーバンク銀行に振り込まれた時、


 ぼくはありきたりの達成感に満たされた。


 自分がやったことが、やった分だけ、確実に評価されたと感じた。


 これは案外フェアな取引じゃないかと思った。


 (後にそういうサイトはごく限られていることを知るのだが…)


 給料や賞与に比べればポイントサイトからもらえるお金などほんとうに些細なものだが、それでも本当に嬉しかった。


 少なくともポイントサイトにはエンコも天下りもなさそうに思えた。


 無能なくせにいばりちらす上司もいなければ、


 わがままでひとりよがりの部下もいない。


 自分が個人でエントリーして、日々確実にポイントを集めていく…。


 あ、これは、一種のRPGだなと気がついた。


 経験値が貯まるとうれしいというアレだな、と。 


 ぼくはポイントサイトという箱庭療法によって、次第に落ち着きを取り戻していった。


 日々充実を感じていた。


 明日の予定があった。


 今日の成果があった。


 承認待ちの案件が次々と承認され、大量のポイント獲得となる嬉しいハプニングが日々繰り返された。

 商品券やクオカードや図書カードが郵便受けに届き、


 メールボックスはポイント付きメールで満たされた。


 ぼくは幸せだった。


 これでいいのだと思った。


 しかし1日1日ぼくは確実に磨り減っていった。


 楽しい日々の終わり、眠りにつく時、ぼくはもう自分がたった一つの命をこうして閉じようとしていることをやはり不安に思わざるを得なかった。


 小銭が欲しかったわけではない。


 そう言い訳しても誰も信じてくれないかもしれないが、


 ぼくがこの世から消えてしまった後、ぼくの銀行口座を見た人は首をかしげるに違いない。


 
 自分だって不思議なのだから。


 ぼくがポイントサイトを始めるなんて。


posted by uj at 22:30| シドニー ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 禁じ手 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。